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第28回:「祇園祭」 (2004.08.01)


 日本三大祭の一つに代表的な京都の古都を彩る祇園祭りがある。久しぶりに実家を訪れ祭りを楽しんだ。

祭りの起源は疫病退散祈願からが始まりで平安初期の貞観11年疫病退散を祈願し鉾を建てたのが八坂神社の氏子町内に広がり、少しでも風流な行事をと考え、出し物として巡行が開始された。7月1日の吉符入(きっぷいり)から31日の疫神社夏越祓(なつごしはらい)迄の1ヶ月間に祭りの行事が繰り広げられる。

14日から16日の宵山、祇園囃子と17日の山鉾巡行は祭りのクライマックスである。
四条鴨川の水で御輿洗いが7月10日に開かれ、鉾のある鉾町では10日頃から四条通りに鉾を建てる為の足場作りが始まる。各町内では笛や鉦、太鼓で囃子の練習が始まる。どこかのんびりとした囃子、コンコンチキチン、コンチキチン 心うきうきしたリズムで疲れもふっとび、のんびりとした気分にしてくれる。宵山と呼ばれる16日は鉾が並ぶ。

四条通りは歩行者天国となり身動きもできない程の人出で賑わう。浴衣がけで団扇を手に人波にもまれる17日巡行本番の日、山23基と鉾9基が四条通り、河原町通り、御池通りを巡行する姿は華麗で、他には類を見ない盛大な祭りである。巡行もさることながら、山鉾の四面装飾に異国風のかざり(織物)が一段とあでやかさをかもし出す。


2004年度の山鉾の巡行順
[ さきの行列 ]
長刀鉾(なぎなたぼこ)
太子山(たいしやま)
伯牙山(はくがやま)
孟宗山(もうそうやま)
函谷鉾(かんこぼこ)
蟷螂山(とうろうやま)
綾傘鉾(あやがさぼこ)
木賊山(とくさやま)
月鉾(つきぼこ)
油天神山(あぶらてんじんやま)
山伏山(やまぶしやま)
占出山(うらでやま)
菊水鉾(きくすいぼこ)
郭巨山(かっきょやま)
四条傘鉾(しじょうかさぼこ)
芦刈山(あしかりやま)
鶏鉾(にわとりぼこ)
霰天神山(あられてんじんやま)
白楽天山(はくらくてんやま)
保昌山(ほうしょうやま)
放下鉾(ほうかぼこ)
岩戸山(いわとやま)
船鉾(ふねぼこ)
[ あとの行列 ]
北観音山(きたかんのんやま)
橋弁慶山(はしべんけいやま)
黒主山(くろぬしやま)
浄妙山(じょみょうやま)
鯉山(こいやま)
役行者山(えんのぎょうじゃやま)
八幡山(はちまんやま)
鈴鹿山(すずかやま)
南観音山(みなみかんのんやま)
1ヶ月の長きに渡る御祭のスケジュール

7月1日〜7月5日 各山鉾町「吉符入り」
山や鉾を出す32の町で関係者が集まり行事の打ち合わせをする。神事始めの行事でこの日から1ヶ月におよぶ祭の無事を祈願
7月2日午前10時 京都市役所「くじ取り式」
山鉾巡行の順番を決めるため京都市長が立会い、各町内の代表者がくじを引く。
7月10日午後8時 四条大橋「御輿洗」
神幸祭(17日)に出る神輿を鴨川の水で清める神事。
7月10日〜14日 各山鉾町「鉾建て、山建て」
この日から各山鉾町ごとに山や鉾の組み立てが始まる。釘1本も使わず、わら縄や麻紐を用いて伝統工法で組み立てられる。
7月13日午前11時 八坂神社「長刀鉾稚児社参」
お位もらいと呼ばれる、長刀鉾の稚児が二人の禿(かむろ)とともに八坂神社に参拝、神の使いとしての資格を授かる。
7月14日〜16日 「宵山」
各山鉾で山や鉾に豪華な飾り付けを行い駒形提灯に火を入れる。笛や鉦、太鼓で独特の囃子がかなでられる。
7月17日午前9時スタート 「山鉾巡行」
祭りのクライマックス、四条烏丸に集合した山鉾が長刀鉾を先頭に巡行開始。
途中巡行の順番をチェックするくじ改めや長刀鉾稚児による「注連縄切り」(しめなわ)等が行われる。
7月17日午後4時氏子区内 「神幸祭、八坂神社、御旅所」
巡行は午前9時スタート、終了は午後1時前。その後3基の神輿が八坂神社を出発し氏子区内を練り歩き四条寺町の御旅所に到着、24日の還幸祭迄安置される。
7月24日 「還幸祭」
御旅に安置されていた3基の神輿を八坂神社にお還しする。
7月31日 八坂神社「疫病社夏越祓」(なごしのはらい)
疫神社(八坂神社境内)の鳥居に設けられた大きな茅の輪をくぐり無病息災を祈る。
これで1ヶ月におよぶ祇園祭も無事終了となる。

来年見物に行きたい方の為の見所ガイド

 まず宵山の16日は大変混雑するので15日の宵々山が良い。人出も余り気にならず、16日の宵山、17日の巡行、この2日間で観光客が集中し人、人の山。なんと言ってもクライマックスは鉾を回転さす辻回しが最高。1基約12トンもある巨体を青竹の上をすべらせ方向を変える。四条河原町、河原町御池、新町御池各交差点。

観光客の為にも御池通り沿いに有料観覧席が6500席程作られる。全席指定で料金3100円

(今年の場合)パンフレット、日よけ帽子付きです。ゆっくり見物したい方は6月初旬からインターネットによるオンライン予約が可能。

アドレスは http://www.kyokanko.or.jp
詳しくは京都市観光協会 TEL 075-752-0227へ。


小生の観覧記
今年は土曜日で三連休であった事も幸いし久し振りに見物に出掛けて見た。八坂神社の氏子町内に生まれ育ち実家の前を鉾が通るのも一つのチャンス、子供の頃より巡行を楽しんできた。

昔は四条通り、河原町通りに路面電車が走り鉾の屋根で架称を取りはずしながらの巡行であった大変だったと思う。

今でこそ舗装道路もしっかりしたアスファルトになったが子供の頃は照射熱でアスファルトがとけない様に朝早くから道路に冷水をまく事も祭りに参加している気分にさせられた。夜は水まきのごほうびにと鱧料理のご馳走が食べられるのが楽しみであった。

平成17年も日曜日。まだ一度もご覧になっていない方是非暑い京都にお越しやす。そして沢山の汗かいとうくりやすな・・・

トミャァンコメント

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